●下肢の筋肉は鍛えて肥大化しても重く動かしにくくなることはない、早大などが確認
早稲田大学(早大)などは10月28日、鍛えられた男性スプリンターの下肢は、
一般成人男性と比べて大きく発達しているにも関わらず、両者における股関節周りの
「回転の動かしにくさ」に有意差はなく、そのため筋量の分だけ男性スプリンターは
素早い動きが可能となることを明らかにしたと発表した。
同成果は、筑波大学体育系の佐渡夏紀助教、日本大学医学部の一瀬星空助手、
早大 スポーツ科学学術院の川上泰雄教授らの共同研究チームによるもの。
詳細は、米スポーツ医学会が刊行するスポーツ医学と運動科学を扱う機関学術誌
「Medicine & Science in Sports & Exercise」に掲載された。
物体の運動は回転と並進の力とそれぞれの方向への動かしにくさ(慣性)で決まり、
基本的に関節の回転を通じて行われる身体運動では、特に回転の動かしにくさが
運動の出来映えに大きく影響する。
全力疾走への力学的要請に合致したスプリンターの「股関節屈曲・伸展の筋群の特異的な発達」
という特異的な筋形態は、要求される「力」への適応というプラスの側面だが、
鍛えられて筋が肥大すると重くなり、「動かしにくさ」を増やしてしまうマイナスも生じてくる
と考えられてきたものの、両者のバランスを詳細に調べた研究はなく、アスリートの身体形状の
バランスについては不明だったという。
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